情報を引き出す男
夫は相変わらず残業まみれで妻はいろいろがっかりだ。
いつもは大体8時から9時ぐらいに帰るか遅くなるかの連絡があるのだけど、今日は7時半ごろ電話があって、すわ早めの帰るコールかと思いきや第一声が「帰るコールではありません。」で何のことはない、早めの「遅くなるコール」だったわけで妻の落胆たるや。おのれ上司め。
仕方なく月末仕様の貧乏カレーを作っていたら、1時間後再度夫から着信。
おおおもしや予想外に早く終わったのでやっぱり帰れますコールだろうか、いやそれ以外考えられんと思って「妻でーす」と愛想良さめに電話に出たらばまたしても第一声が「すみません、帰るコールではありません。」だった。な ん の 用 だ あ ~ 。
なんでも仕事で仙台駅の中がどうなってるかって話になったんだけど、仙台駅に詳しい人がその場にいなかったもんだから夫が仙台出身の妻に急遽電話をかける羽目になったらしい。なんだそれ。ネット見ろネット!
と言うわけで妻は問われるままに牛たん通りと新幹線のホームは3階で、在来線は2階で、1階にはずんだカフェがあるよと聞かれてもいないことまで答えて、地下については「さーぁ。地下鉄の駅じゃない?あといろんなお店。」と極めてあてにならない感じの情報を垂れ流してやったのだった。
大体、電車の使用頻度が東京とは桁違いなんだから妻が在来線のホームにそうそう詳しいわけがないのだ。そもそも妻は仙台に住んでいた18年間で一人で在来線に乗ったことがない。箱入り娘だったからな!(言うだけならタダ)
そんなわけで夫は妻から極めてざっくりした情報を引き出して何事もなかったかのようにしれっと電話を切ったのだった。妻はというと「あなたは私の情報だけが目的だったのね!」とスパイにだまされた女気分でカレーをもりもり食べた。
腹いせに夫の分までカレーを食ってやろうかと思ったんだけど、我が家のカレーは作り置き式で1回につき一鍋満タンになるのでそもそも無理だった。しかも今日は米を6合も炊いている。完食したらそれはそれですごい。
せめてもの報復と言えば、初めてカレーに入れてみたゴーヤが思ったより苦かったことぐらいだ。しかしそのことによってダメージを受けるのは同じ鍋のカレーを食う妻も同じだという罠。もー。

